保育士の松丸知美容疑者(31)が、子どもの口に無理やり夕食を詰め込むなどした強要事件。施設の女性施設長が、千葉市の聞き取りに対し、保育士の虐待行為に気付きながら、退職を懸念して注意できなかったとの趣旨の説明をしていたことが、市への取材で分かった。事件の背景に、保育業界が抱える慢性的な人手不足という問題があったと言えそうだ。

市こども未来部によると、7月17日に女児の保護者の通報を受け、同23日と8月1日に同施設へ立ち入り調査し、施設長と保育士の聞き取りを実施。2人とも通報内容を認めた上、施設長は注意しなかった理由を「保育士が不足しているので、辞められると困ると思った」などと説明したという。

虐待発覚前の同施設の職員数は施設長含めて5人で、うち保育士の有資格者は3人。事態を受けて、7月末に施設長と容疑者以外の3人は退職していた。