内閣府から、今月2日に開催された「第6回「高齢社会対策の基本的在り方等に関する検討会」」の資料が公表されました。
今回の検討会では、「高齢社会対策の基本的在り方等に関する検討会報告書案」が示されました。
報告書案では、
・すべての年代の人々が希望に応じて意欲・能力を活かして活躍できる
エイジレス社会を目指す。
・地域における生活基盤を整備し、人生のどの段階でも高齢期の暮らしを具体的に描ける地域コミュニティを作る。
・Society5.0 が可能にする新しい高齢社会対策を志向する。
ということを、基本的考え方として、今後の高齢社会対策の基本的な在り方などが提言されています。
同検討会では、今後、この報告書案を取りまとめ、それに基づき、厚生労働省など関係省庁と協議した上で、年内にも「高齢社会対策大綱」を改定し、閣議決定する方針です。

なお、この報告書案で最も注目を集めているのは、年金受給に関する次の記述です。
●年金受給を70 歳まで繰下げることにより最大で42%増の額を受け取ることができる現行制度の利用率が低いという現状がある。就業促進の観点からも十分な周知が望まれる。また、高齢期にも高い就業意欲が見られる現況を踏まえれば、繰下げを70 歳以降も可能とするなど、より使いやすい制度とするための検討を行ってはどうか。

70歳以降の繰下げを可能にしてはどうかという提言です。原則的な支給開始年齢(65歳)自体を引き上げるということではありませんが、そのための布石ではないかということで、不安視する声もあります。
今後、本格的に検討・議論が進むのか、動向に注目です。

報告書案については、こちらをご覧ください。
<高齢社会対策の基本的在り方等に関する検討会報告書案>
http://www8.cao.go.jp/kourei/kihon-kentoukai/h29/k_6/pdf/s1.pdf