日本経済新聞によると
成年後見制度を巡る弁護士や司法書士など専門職による着服などの不祥事に歯止めがかからない。2014年の被害は計5億6千万円に上り、今年も悪質な事件が次々に明らかになっている。不正を防ぐチェック体制の甘さを指摘する声も多く、裁判所や弁護士会、司法書士会は防止策を講じ始めている。

最高裁のまとめによると、14年度に不正を理由に弁護士司法書士行政書士の「専門職」が後見人を解任されるなどしたケースは22件。被害額は計5億6千万円となり、集計を始めた10年以降で最悪だった。

また、昨年被害総額は56億7千万円となり、その9割は親族後見人となっている。親族の場合は、親・祖父母が生きているうちから、相続財産の先取りという意識で「罪悪感」の欠如が感じられる。

もっとも、親族といえども悪質な場合「業務上横領罪」が適用されることがある。
成年後見人の立場を悪用して寝たきりの兄(62)の財産約3000万円を着服したとして、東京地検は3日、妹の会社員(57)=東京 都大田区=を業務上横領の疑いで逮捕した。
刑法には、親子や同居親族などの間で起きた盗みや横領などの刑を免除する「親族相盗」という規定があるが、最高裁が今年2月、公的性格の強い後見人にはこの規定は適用されないとの初判断を示し、地検は刑事責任追及に障害はないと結論付けた。

窃盗罪親族相盗例の規定が横領罪にも準用される(刑法255条244条)。 なお、成年後見人未成年後見人による被後見人財産の横領のケースでは、親族であろうと準用されないとするのが判例である(成年後見人につき最決平成24年10月9日、未成年後見人につき最決平成20年2月18日)。