東京電力福島第一原発事故後の作業により被曝し白血病を発症した40代の作業員について、労災が認められたことが20日、わかりました。原発事故後の作業に伴う被曝と白血病発症について、因果関係がないとは言えない、としています。今後も被曝を伴う作業は続いていくため、労災申請の増加が予想されます。

男性によると、2012年から13年まで、東京電力の協力企業の作業員として、3号機や4号機周辺で、構造物の設置や溶接の作業に当たり、14年1月に急性骨髄性白血病と診断された。累積の被曝線量は福島第一原発で約16ミリシーベルト、定期点検の工事で12年に約3カ月間働いた九州電力玄海原発で約4ミリだった。

男性の労災申請を受けた富岡労働基準監督署福島県)が業務内容や被曝実態を確認し、被曝の専門家らで構成する厚労省の検討会で被曝と白血病の因果関係を検討、「業務上(業務由来)」と結論づけた。これを受け同労基署が20日付で労災と認定した。医療費と休業補償が支払われる。

東電によると、福島第1では現在、1日平均約7千人が働いている。年5ミリシーベルトを超える被曝をした作業員は14年度に6600人に上り、増加傾向にあるという。