厚生労働省は8日、自民、公明両党に医療保険制度改革案の骨子を示し、了承されました。改革案は、低所得の加入者が多く財政が厳しい国民健康保険(国保)への支援拡充を打ち出し、会社員や患者の負担増にも踏み切ります。2017年度には高齢者医療に拠出する支援金の計算方式に、大企業の社員が加入する健康保険組合などの負担が重くなる「総報酬割」を全面導入し、それに伴い浮く国費2400億円のうち、1700億円を国保支援に投入します。残る700億円は支援金負担が増える一部の健康保険組合や共済組合への支援に充てるとしています。

保険料では、75歳以上で所得が低い高齢者の保険料について、最大9割軽減している特例措置を当初は2016年度に廃止する予定でしたが、2017年度に「原則廃止する」としました。廃止後は保険料の軽減幅が最大9割から7割に縮小します。会社員の健康保険料を決める「標準報酬月額」の上限を、2016年度に現行の121万円から139万円に引き上げます。

政府は骨子案を基に関連法案をまとめ、26日召集予定の通常国会に提出する見込みです。