おととし施行された過労死防止法に基づいて過労死の実態や防止への取り組み状況を記した初めての「過労死白書」がまとまりました。

過労死等防止対策白書=過労死白書は過労死や過労自殺をなくすため国が防止対策を行うことなどを定めた過労死防止法に基づき、厚生労働省が毎年まとめることにしたもので、7日、初めての白書が閣議決定されました。

白書では過労死や過労自殺の労災が、ここ数年200件前後で推移していることや「過労死ライン」と呼ばれる月80時間を超えて残業した労働者がいる企業の割合が昨年度2割を超えたことを挙げ、長時間労働の是正が課題になっているとしています。そして、過労死の実態を解明するための調査研究として、長時間労働が循環器などの健康に及ぼす影響の研究や労働者の長期的な追跡調査を始めたことなどを報告しています。そのうえで、労働者の相談窓口の設置や継続的な啓発活動を通じて過労死や過労自殺をゼロにすることを目指すと締めくくっています。

平成28年版過労死等防止対策白書【厚生労働省】
http://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/karoushi/16/index.html