社会保険労務士らの事務組合「神奈川SR経営労務センター」(横浜市)で働いていた女性がパワーハラスメントを受け、職場と和解したあとも職場環境が改善されなかったとしてセンターなどに賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は8月26日、女性敗訴の一審横浜地裁判決を取り消し、請求通り330万円の賠償を命じました。

女性は、上司からパワーハラスメントを受けたとして職場を訴え、センター側が70万円を支払い、再発防止に努めるなどの内容で3年前に和解しましたが、その後も嫌がらせがなくならないとして改めて提訴しました。

一審はセンター側が和解を守らなかったとまでは認められないと判断したが、高裁の杉原裁判長は、「団体の幹部は、所属する会員に対して女性が問題行動をするという印象を与える発言をしていた」として、和解条項に反し不誠実な態度を取り続けたと認定しました。