ゼンショーホールディングスが運営する牛丼チェーン「すき家」労働環境改善策を提言する第三者委員会(委員長・久保利英明弁護士)は31日、過重労働の実態と改善のための提言をまとめた報告書を同社に提出しました。

第三者委員会の調査報告書によると、店舗勤務歴のある社員の大半が24時間連続勤務を経験し、バイトを含めて恒常的に月500時間以上働いている人2週間帰宅できなかった人もいました。またサービス残業に加え、6時間以上勤務しても休憩を取れないといった法令違反も慢性化し、平成24年度には社員の居眠り運転による交通事故が7件起きていたとしています。本社の社員で非管理職418人の今年4月の平均残業時間は109時間に上ったといいます

問題が是正されなかった背景として、第三者委員会の委員長である久保利弁護士は「会社が短期間で急成長を遂げた成功体験から、幹部の間に過剰労働を容認する文化が根強く、法令を軽視していた」と指摘しました。

ゼンショーの小川賢太郎会長兼社長は会見で、「企業規模が大きくなり、事態を把握しきれていなかった。反省している」と述べ、今後は残業時間を月45時間に減らすほか、事業会社のゼンショーに社外役員を置いて経営監視を強める方針を示しました。